お客様には嫌な事言われるし、上の人は好き勝手なこと言ってくるし、最近ずっと忙しいし、なんだか退屈だし。
幸せなのかなって思いますか?
お客様対応は多くの会社にとって必要な仕事です。
商品やサービスの専門知識がないのに、短いトレーニングを受けてあなたが電話の前に座っているのは、専門的な人たちがその仕事をやりたくないからです。
上の人たちもお客様対応はほとんどしません。
社会の仕組みとかはどうでもいいです。
いまあなたがこのコールセンターで仕事をしているのは、必要だけど誰もやりたがらない仕事だからです。
電話専門で捌ける人がいないと、十分な数がこなせないんです。
だからあなたが電話の前に座っているんです。
繰り返しだし、簡単ではないし、時に猛烈に腹が立つし、なんでもないかのように傷つけられる仕事です。
僕らはそれが当たり前の日常だから、平気な顔して過ごさないとやってられないけれど、本当はとても凄まじいことだと思います。
恐喝をしてくる人は多くはないです。
みんな自分の正義を盾にしてこちらを見てきます。
そちらが悪いのだから。お客様なのだから。俺の会社ではやっていたのだから。気分を害されたのだから。お金を払っているのだから。私が正しいのだから。消費者は守られるべきだから。大切にされるべきなのだから。
あなたを攻める言葉ではないかもしれません。
でも嫌な感情をぶつけられるのはあなたです。
怒りだけじゃなく、悲しい気持ちを受け取ることも多いです。
楽しいや嬉しいに共感するのも時にしんどいです。
ずっとそんな言葉にさらされ続けて疲れてしまわない人なんているんでしょうか?
いや、周りを見渡したらいるでしょうね。
でもそうじゃない人がいたってなにもおかしくないじゃないですか?
たぶん、多くの人が耐えられれないほど疲れてしまう仕事なんでしょう。
だから僕らがやっているんでしょう。
新人トレーニングをしていて、研修をして、初めて電話に出て、独り立ちして、辞めていく人の流れを眺めながら、いつも思います。
この壮絶な仕事は、当たり前ではないなぁと。
上の人だってわけがわかりません。
毎日あぁだこうだ言ってくるけれど、そりゃ言ってることは正しいんだろうけど、そんな簡単なことですか?
出来ないのはそんな言い方をされなきゃいけないことですか?
そもそも、言われたことが出来たからなんだというんでしょう。
言われたとおりにやって、ありがとうって言われた記憶もないのに。
その人にも、お客様にも。
会社のためだ、とか仕事だからとか、そりゃそうなんでしょうけど。
それってあなたになんの価値があるんでしょう?
みんな心のことを、頭とか体と同じように寝たら回復するものだと思ってるんです。
でも心のことは科学でも全然解明されていません。
そのままだと擦り切れてしまうから、危ない時は休んだほうがいいのは間違いないけど、休んだからって元気になるかどうかはわかりません。
どのくらい擦り切れてしまっているかも、自分でもわからないかもしれません。
僕は、この仕事は、世間の目とか、自分の常識とかひとまず捨て去って、自分のことや耐えている気持ちを受け入れてあげる時間が時には必要だと思っています。
辛い時は、あとのことは忘れて、まずは自分を抱きしめて上げましょう。
自分はよくやっているんだ、と言ってあげてください。
雑音は全部投げ出して、自分の心の声を聞いてください。
そしてそのまま、ゆっくり寝てください。
おやすみなさい。
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